障子の種類
障子の構造
採光や通風ができて、しかも断熱性があり、優しく、美しく、人の心を和らげる不思議な機能を持つ建具である障子は、竪框・上桟・下桟・組子で構成されていますが、形状や組子の組み方により様々な種類があります。
荒組障子
竪横の組子の間隔を大きく粗く入れた障子です。荒間障子とも呼びます。
横繁障子
水平方向の組子の数が標準より多い障子です。関東好み。
竪繁障子
垂直方向の組子の数が標準より多い障子です。柳障子とも呼びます。関西好み。
腰付障子
痛みやすい腰部を板張りや襖張りした障子です。腰障子とも呼びます。
雪見障子
下方にはめたガラスの内側に、上下する小障子を入れた障子です。
猫間障子
障子の一部を左右または上下に開閉できるようにしたものです。
障子紙の種類と特色
1.手すき楮障子紙(楮:こうぞ)
障子紙の最高級品です。手間暇をかけ、材料を選んで作られるので、風合も丈夫さも抜群です。ただ、同じ手すき紙でもパルプを主にしたものは品質が落ちます。
2.マニラ麻・レーヨン・ビニロン等の混抄障子紙
マニラ麻やレーヨン、ビニロンなどを40%以上配合したものです。手すき和紙の感覚を残して、独特の風合と強さをもつ機械すき和紙の最高級品になります。
3.レーヨン障子紙
レーヨンを40%以上配合したものです。美しい光沢とかなりの強度などが楮(こうぞ)に似ていて、原材料が楮にくらべて安くなっているので、質的にも価格的にも最も実用的で、現在いちばん多く使われている障子紙です。
4.レーヨン入り障子紙
レーヨン障子紙のミニ版です。パルプにレーヨンを20%以上、40%未満配合したものです。
5.パルプ障子紙
パルプを80%以上配合したものです。それだけ強度も低く、風合も落ちるのですが、価格的にはいちばん安い障子紙になっています。
6.プラスチック障子紙
障子紙にプラスチックフィルムを裏面から接着したり、両面からサンドイッチのように接着した、特殊なものになっています。
7.機能を持った障子紙
アイロン障子紙、破れにくい障子紙、消臭障子紙、難燃性の障子紙等の障子紙があります。
その他、模様入り障子紙やカラー障子紙などがあります。